高次との対話。弱った時に脳内会話するとこうなる
「高次のものと脳内会話できたら、苦しい時に相談相手になってもらえていいなあ」
___そういった理由で「どうやったら会話できるようになりますか?」とご質問いただくことがよくあります。
ということで、実際に自分が弱っていて相談したい時に脳内会話するとどうなるのか?その様子をブログにしてみたいと思います。
某日。
とある、イベント。趣味のゲームのイベントで、私はプレイヤー兼ボランティアスタッフとしてその会場にいました。
イベント会場というだけあって、人も多いし音もたくさんある。もともと人が多い場所は得意ではないんですが、その日は「自分がボランティアスタッフである」という立場上どうしても積極的に人と関わる必要がありました。___それがまずかった。
どれほど楽しい現場でも、その場にある熱量、エネルギー量が大きいとそれに酔ってしまうのは私の体質であり、弱点。そんなことはわかっていたのに、油断しました。というか、その弱点を意図的に忘れようとしてました。楽しみにしていたイベントだったので。絶対に参加したいイベントだったので。
で、
体調が悪いのを見ないフリして耐えて、このザマです。見事に体調崩しました。パニック発作の予兆がガンガン襲ってくる事態になりました。
私のパニック発作は、予兆として身体的な症状として手足先の痺れや心臓を掴まれるような動悸が起こります。身体的に起こる症状なので、無視しようがありません。ああ、これダメなやつ。一刻も早くこの場から離れなきゃいけないやつ。
今まで散々自分の症状を観察して発作の予兆を正確に捉えられるようになっていたので、これがまずいというのはいやでもわかりました。でも、
私(このイベント、楽しみにしてたんだよな)
そしてさらに、
私(しかもスタッフだよ、私…一人抜けたら他の方に迷惑かけまくりじゃん)
周りのスタッフさんたちは皆さん良い人たちばかりで、足を引っ張りたくない。迷惑も心配もかけたくない。そして自分が体調を崩しやすいことを言いたくない。そんな自分を認めたくない。
ぐわんぐわん、気持ち悪い。気持ち悪すぎてまともな思考回路にならない。早退したい、でもしたくない。
みーちゃん、助けて。
み「……」
無言で、こちらに視線を向けた気配だけしました。
私「えっ、来てくれるんだ…?」
___呼んだの、完全にダメ元だったんですけどね。こういう気弱になってる時に、みーちゃんが来てくれること事態、稀でした。いつもは空振りなんですが今回はなぜか来てくれました。意外。
み「いや、お前が呼んだんだろ」
はい、ごもっとも。
私「いますごく体調悪くてさ。パニック発作一歩手前なの」
み「だろうな、見りゃわかる」
私「早退したい。けど、こわい。会場の方に迷惑かけたくない。失望されたくない。どうしよう」
み「ふーん、早退すれば?」
できないから、困ってるのよ。
私「でも、私スタッフだよ?なのに逆に迷惑かけちゃうとか無理。それにもうちょっとなら耐えられる気もする。でもやっぱり苦しい、辛い、きつい。でも早退したくない、私だってイベント楽しみだったんだよ、気持ち悪い、怖い、やばい、もう自分じゃ決められない。ねえ、私が今早退すべきかどうか、コイントスして決めさせて。判断できない、怖い」
こういうとき、脳内の声は決して優しくありません。
み「は、あはははははは」
みーちゃんは、迫力のある顔で言いました。
み「コインを投げる前に誓え。表が出ようと裏が出ようと、その結果に不満を持たないな?全て運命だと受け入れて大人しく従うんだな?仮に俺がコインを通して『周りの皆様のご迷惑にならないよう、その体調の悪さを我慢してこの先何時間も同じところに居続けて仕事をしろ、絶対に他人に頼るな、最後までギブアップするな、ニコニコしてろ、お前が他人様のお荷物になるのは許さない』と言ったら、どんなに苦痛でも素直に受け入れて、文句を言わずに耐え切るんだな?」
私「…耐え切れる自信ないよ」
み「あ?自信あるかどうかなんて聞いてねえよ。お前の事情はどうでもいいんだよ。コイントスで命令されたいなら、まず命令に絶対服従を誓え」
私「でも…」
___ここだけ聞くとまるで悪魔の囁きのようです。みーちゃんは、なんでこんなことを言うのでしょうね?
み「コインが出した結果に従う自信がねえなら、なんのためにコインを投げるんだ?」
私「……」
み「……」
高次と対話する時の特徴は、人間側から問いかけたりお願いをすると、必ず同じ内容が自分に跳ね返ってくることです。なぜなら高次との対話はすなわち、自問自答だから。そして自問自答の末に辿り着く答えが本質だから。自分で認めたくない、気づきたくない答えが浮き彫りになります。
なので、私が自分の問いに対して自分で答えるまで高次は沈黙します。
私「____わかってるよ、勇気がないだけだよ。自分の中の答えなんてもう出てる。早退した方がいい、それもなるべく早く、悪化しない今のうちに早くスタッフの一人に声をかけて、会場から出ればいいだけだよ」
でも、いま自分が置かれた状況や周りの目がある環境に圧倒されて、行動に移せない。未練がある、くやしい、申し訳ない。その気持ちを言語化して、自覚して、俯瞰する。
み「わかってんじゃねえか。己の答えを自覚してるなら、コインでもなんでも投げてみな。ただし己に誓え。どんな結果が出ようが、己がすべきだと判断したことをする、と」
私「私が決めたことを、する?」
己に誓う
私「己に誓うって…どうすればいいの?」
み「答えろ。もし俺がコインの表を出して『直ちに早退しろ』と言ったら?」
私「……素直に早退する。そのために周りにも事情をちゃんと説明するし、楽しみだったイベントも諦める」
み「じゃあ、俺が裏を出したら?『周りの皆様に決して迷惑をかけないように、イベントが終わるまで笑顔で耐え切れ』と言ったら?」
私「……それでも早退する。理由は、早退した方がいいと私が判断したから」
み「その言葉、確かに聞いたぞ」
み「よろしい。コイン投げてみな」
おもて。
コインを投げて、表が出ようが裏が出ようが、自分の行動を変えないこと。自分で判断した行動をすること。それを誓わない限り、高次は何も教えてくれませんでした。それどころか苦痛に耐え続ける選択を誓うように、促しました。
_____これが高次と対話する恐ろしさであり、危うさであり、自分で何も判断できない時に対話すべきでない理由です。
波動の側面から言えば「低い波動の状態の人は低い波動の存在とつながる」。この時、私は心身が疲弊してとても健康とは言えない状態でした。だから会話する相手も、仮にそれがみーちゃんであっても彼の言葉は敢えて私を苦しむ道へ誘導するような言い回しをしていました。
高次に問いかけた言葉は、そのまま自分に跳ね返ってきます。高次から示される選択肢は、自分が自分に対して課している問題そのものです。
みーちゃんは「我慢して耐え切ることを誓え」と言った理由は、私自身がその選択肢を選ぼうか迷っていたからに他ならない。みーちゃんは私の選ぼうとしている選択肢をわかりやすく表現しただけでした。
そしてもちろん、もし私がその選択肢を選ぶ可能性もありました。文句を言わずコイントスの結果に従う可能性も。
み「だから高次の存在を自分にとってどういうものなのか、決めるのはお前自身しかいねえんだよ。あそこでお前の心が折れてコイントスに従うような真似をしていたら、俺は世間一般で言うところの悪魔や悪霊の類になるだろうよ」
高次との対話なんて意味ないじゃん?意味ないよ。
これじゃあぶっちゃけ、コインを投げる意味なんてない、と思うでしょ?高次との対話なんて意味ないよ、ただの自問自答じゃないか。
ええ、意味ないです。コインの結果が実際の行動に対して何も影響しないという点では、全く意味はないです。そして素晴らしい天啓など降ってくるわけでもないので、その点では対話も意味ないです。
み「結局お前が本当に欲しかったものはなんだったのか、もうわかったな?」
私「__あと一歩の背中を押してくれる何かが欲しかったのかも」
あの後、私は自分で決めた通りにスタッフさんに事情を説明して、パニック発作が起きる前に会場を出て早退しました。
み「コインを投げる前にすでに選ぶ答えは決まっていたし、それを決めていたのは紛れもなくお前自身だからな」
私「そうだね。仮にあの時コインの裏が出ていても、私は自分の覚悟を問うために裏を出された、と解釈していただろうし」
み「そうだな。高次の意思は解釈の中に現れるからな」
コイントスは、高次の答えを聞くものではない。それを投げる前の自問自答、その結果を受けて自分がどう動くか、そっちが本質。コインはあくまで、それを引き出すための装置にすぎない。
だから、コインに高次の答えが宿る、というのはある意味で方便、でもある意味で本当のこと。そしてその高次の意思でさえ、自問自答の中にしか現れない。
まあ実際「早退しな」とコインの表は出たんですけどね。もちろん二分の一の確率で起こることなので、偶然ですけども。ええ、ただの偶然です。その偶然を必然と解釈した時、そこに高次の意思が宿る。
____ね?ただの空想ごっことさほど変わらないでしょ?笑
私(でも、あれだけ色々会話して、最終的に出たのは表だった。なんだかんだで背中を押してくれるなんて、やっぱり優しいな)
み「さて?これを優しさととるか詭弁と取るかは、人によるぞ」
コイントスなんてしても意味はない。でも意味がなくてもその一連の流れには意味がある。
脳内会話のリアルな温度感を、少しでも感じていただければ幸いです。
この記事、もうちょっと挿絵とか描写とか増やして新刊に収録したいな
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